函館の市民団体「大間原発訴訟の会」(竹田とし子代表)が、国と電源開発(東京)を相手取り、青森県大間町に建設中の大間原発の建設・差し止めを求めた訴訟の判決が19日午後3時、函館地裁で言い渡され、浅岡千香子裁判長は原告の訴えを棄却した。浅岡裁判長は「原子力規制委員会が設置変更許可申請を現在審査中で、これまでの審査における検討がごく一部にとどまり、許可がなされる具体的な見通しが全く立っていない状況と言えるから、現時点で本件原発につき重大な事故発生の具体的危険性を直ちに認めることは困難」などとした。
裁判は2010年7月28日、原告168人で提訴され、第9次提訴までで原告の総数は1168人に上った。
原告団は、世界的に長期の稼働によるデータの蓄積がないフルMOX燃料の安全性への疑問や、使用済みMOX燃料処理の問題、大間原発の敷地や周辺の活断層の有無、海底火山・銭亀火山の活動の可能性、原子力規制委員会による規制基準の妥当性などを指摘してきた。一方、被告側は安全性が十分に確保されているとして建設の妥当性を訴え、訴訟は昨年6月30日に結審した。