函館を拠点に映像の撮影、企画編集を行う函館市杉並町の「ビデオ・ザ・キッド」の藤田道子社長は、生涯の思い出の写真をつづり、動画やメッセージを加えた「終活メモリアルビデオ」のDVD商品化を企画している。「突然の病になる前に、家族などに感謝を伝える1枚」と話し、利用を広めたいとしている。
高齢化が進む函館市で、自身も還暦を過ぎ、終活に関する活動に興味を持つようになり「元気なうちに人生を振り返り、生前のお礼を伝える動画が求められるようになる」と考えた。DVDは誕生から現在まで約20枚の写真が、自分の好きな曲に合わせてカラーやモノクロで映し出され、最後に動画撮影したメッセージを加えることもできるという内容だ。
藤田さんが自身を題材にした試作品は、若いころの仕事ぶりや結婚、旅行、家族との触れ合いなどをまとめた。「古い写真の整理にもつながるはず」とし、制作費用は1枚5万円程度を見込んでいる。
試作品は9月2、3の両日、同市大町の「港の庵(いおり)」で藤田さんら実行委が行う「終活マルシェ」で紹介する。同マルシェは60歳以上の人が、高齢者となって使う機会が少なくなった高級ブランドのハンドバッグや食器を5000円~2万5000円で販売する(出品募集は終了)。藤田さんは「いろんな形の終活があり、マルシェもDVDも次の世代に物や心を伝えていきたいという気持ちが込められている」と話し、来場を呼び掛けている。
マルシェは両日とも午前10時~午後6時。問い合わせは藤田さん(090・3774・7786)へ。(山崎純一)