【東京】北海道と北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録を目指す関係団体による総決起大会が26日、都内で開かれた。遺跡群の構成・関連遺跡のある4道県や、函館市や森町など14市町の関係者、国会議員など250人が参加。世界遺産登録に向けた今夏の文化審議会での国連教育科学文化機関(ユネスコ)への推薦を見据えて気勢を上げた。
総決起大会は、自治体でつくる「縄文遺跡群世界遺産登録推進本部」(本部長=三村申吾青森県知事)と、国会議員や地方議会議員らで組織する「『北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群』世界遺産登録推進議員連盟」(会長=鈴木俊一衆議院議員)の合同開催。議連事務局長の前田一男衆議院議員が司会を務め、工藤寿樹函館市長、増川正志森町教育長ら道南からも多くの関係者が参加した。
大会では三村本部長が「縄文遺跡群は、先史時代の物証として国際的な評価はすでに確立されているといっても過言ではない。一日も早い世界遺産登録へご協力を」とあいさつ、鈴木会長が「自然と共生し、平和を希求した縄文時代の人々の心の在り方は、現代のわれわれにも生かされるもの。世界遺産登録へ思いを伝えていきたい」と述べた。高橋はるみ道知事、達増拓也岩手県知事、佐竹敬久秋田県知事もそれぞれ世界遺産登録に向けた熱意を語った。
また、この日、修学旅行で東京を訪れていた函館潮光中学校の3年生6人も大会に参加。生徒会長の高田もえさんが登壇し、「私たちの住む函館や戸井地区にも縄文遺跡がある。他の世界遺産に比べて派手さはないかもしれないが、古代の人の暮らしぶりに触れることのできる縄文遺跡の魅力を知ってもらいたい。世界遺産に登録されることで適切な管理・保護がなされ、後世に伝わっていってほしい」と思いを語ると、会場からはこの日最も大きな拍手と歓声が沸き起こった。
要望書を採択し、参加者全員による「ガンバロー」の三唱で大会を締めくくった。大会後には両団体による菅義偉内閣官房長官、義家弘介文部科学副大臣、宮田亮平文化庁長官へ要望活動が行われた。
この日の活動を終え、高橋知事は「今年こそは国内推薦を得て、世界で勝負できると手応えを感じている」、前田氏は「これまでの課題が整理され、議連としても一定程度の役割が果たせた」と手応えを示した上で「4道県が一体となった取り組みは地域振興の起爆剤になる」と話していた。
ユネスコへ推薦する遺産を決める文化審議会は、例年7月に開催される。(大谷健人)