函館水産高校水産食品科3年の阪内楓さん(17)が、7月22、23日に東京海洋大で開かれた「第13回全国水産・海洋高校食品技能コンテスト」(全国水産高校長協会主催)で総合優勝を果たした北海道地区の出場者が全国優勝するのは初めて阪内さんは「上位に入賞できればと思っていたが、まさか優勝できるとはうれしい」と喜びを語っている
コンテストは、水産・海洋高校の食品系学科に通う生徒の専門的な知識と技術の向上を目的に毎年開かれており、今回北海道地区からは阪内さんと小樽水産高生徒の計2人が参加全国13校の精鋭15人が力を競った
筆記(100点満点)は、水産・海洋高校で習得する範囲を網羅した食品技能検定がベースになっており、海洋生物の分類や専門用語の意味を記述する問題などが出されたという
このほか、アジのたたきを作る基本実技(50点)、中和反応を用いて酢の濃度を調べる「中和滴定」を行う応用実技(同)を実施初の大舞台にも「基本実技は時間を目いっぱい使い、今までで一番良い出来だった」と阪内さん筆記は2位、実技は4位で終え、合計点で見事、快挙をつかみ取った
アルバイトや部活動の合間を縫い、コンテスト直前の放課後に実技対策を講じた中和滴定は同校品質管理流通科の教諭が指導するなど、全校で阪内さんをサポート指導した星澤克幸教諭(42)、岩岬(いわさき)耕平教諭(30)は「総合2位とは1点差の僅差丁寧さで1点をもぎとってくれた」とたたえる
製造業への就職を目指し、面接練習に励む阪内さん「優勝は自信になった作業の細やかさを要する食品業界にアピールしたい」と笑顔を輝かせた(稲船優香)