道は本年度、計画的なエゾシカの捕獲を進めるため、道南部(後志、渡島、桧山管内)での生息数を推定するための調査に乗りだす南部では近年、生息数が増加している可能性があり、それを裏付けるように捕獲数、農林業被害額、交通事故件数が急増調査結果に基づいて捕獲計画を初めて策定し、生息数の適正化を目指す
道は東部(オホーツク、十勝、釧路、根室管内)と西部(石狩、空知、上川、留萌、宗谷、日高、胆振管内)について推定生息数を算出し、捕獲による個体数調整を行っている2013年のデータでは、生息数は東部が21万頭、西部が35万頭、全道合計は56万頭と推定されるしかし、南部は情報不足から実態が把握できておらず、捕獲目標が立てられない状況という
南部での捕獲数は04年に50頭だったのに対し、13年には40倍となる1976頭に増え、車両との接触事故件数も4件(04年)から88件(13年)へ、農林業被害額は500万円(04年)から3700万円(13年)へと膨らんだまた、エゾシカの線路内への侵入に伴う列車の運行支障も多発しているさまざまなデータの増加傾向に対応し、本格的な駆除が必要と判断した
道が民間事業者に委託し、上空から目視で確認する「ヘリセンサス」、自動的に写真撮影できる赤外線センサーを搭載したカメラを生息数が多い地区に設置する「自動撮影」、エゾシカを捕獲してGPS(衛星測位システム)装置を付けて移動経路を調べる「GPS追跡」に着手する本年度の補正予算に事業費1億9981万円を盛り込んだ推定生息数は16年度に算出する予定
渡島総合振興局は「管内での捕獲数(13年)は函館市、知内町、森町の順に多い生息数を知り、計画的な捕獲を進めたい」(環境生活課)としている(山崎大和)