【七飯】JR北海道函館支社は24日、七飯町のJR函館線新峠下トンネル(1250メートル)で、走行中の列車が脱線して火災が発生したという想定で避難誘導訓練を行った4月に青函トンネルで発生したトラブルを踏まえ、地元自治体への連絡など新たな内容も取り入れ、参加者は迅速に対応した
JRや消防、警察などから計約170人が参加4月に青函トンネルを走行中の特急列車から煙が発生し、乗客らが青森県側の地上へ避難したトラブルでは、地元自治体への連絡がなく、連携が取れなかったとの指摘を受けたことから、今回は初めてJRから七飯町への連絡を確認したほか、乗客に名前や行き先などを記入する紙を配り、代行バス移動などを円滑に行うことも初めて取り入れた
訓練は、函館発大沼行きの臨時列車(4両編成)が走行中に、異音と大きな揺れを感じ、車掌が列車を緊急停止させると、先頭の4号車が脱線していて、床下で火災が発生したという想定乗務員らは避難はしごを設置し、乗客役のJR社員約120人を約350メートル先の避難所まで誘導消防は負傷者役の2人を担架で搬送し、消火訓練も行った
同支社の鈴木理夫技術次長(51)は「事象が発生してから避難までおおむねスムーズにいったいつ、何が起きても対応できるように万全な備えをしていきたい」と講評した
訓練は、2011年5月に上川管内占冠村のJR石勝線トンネル内で発生した特急列車の脱線炎上事故を教訓に始まり、今年で8回目(能代俊貴)