JR函館駅前の再開発ビル「キラリス函館」の建設を手がけるNAアーバンデベロップメント(函館市若松町、布村隆二社長)は4日、同ビルの完成時期が当初予定の2016年10月から17年3月下旬にずれ込むと発表した北海道新幹線開業に合わせて16年3月に予定していた低層階商業施設や市の公益施設の先行オープンも同年8月以降となるくい打ち工事が難航したためで、布村社長は「マンションを購入された方やビルの完成を楽しみにしていた市民の皆さまに大変申し訳ない」と話している
同社や市によると、再開発事業は市中心市街地活性化基本計画の事業として、約2800平方メートルの敷地内に地上16階、地下1階のマンション併設の複合ビルを建設昨年1月から旧WAKOビルなどの解体を進め、同10月に新ビルの建設工事が始まった総事業費は約55億円
当初スケジュールでは今年2月下旬にはくい打ちが終了し、6月は地下1階部分の工事を進めている予定だったただ、地下60メートルまで打ち込むはずのくい100本のうち、46本が地中の岩などの支障物に阻まれ、作業が難航建設を担う西松建設と工法変更などを検討し、市やマンション事業者のフージャースコーポレーションなど関係者と協議を進めていた現在、46カ所中31カ所の支障物の除去が終わり、くい打ち作業の終了は8月中旬にずれ込む建物本体工事を進める人材確保にはめどが付いたとしている
工事の遅れにより、来年3月に部分開業を予定していた、地下1階と地上1、2階の商業施設のオープンは同8月に予定1、2階の北海道銀行と市が整備する「はこだておもしろ館」(3階)、「子育て世代活動支援プラザ」(4階)は、同10月にずれ込む昨年秋から分譲を開始したマンション(5~16階、84戸)は一部が成約済みといい、来年11月の入居開始を予定していたが、17年3月の完成に変更した
スケジュールの大幅な変更について、市経済部中心市街地再生担当の阿部貴樹参事は「新幹線開業に間に合わせるよう事業を進めてきた中で大変残念市の施設はより一層、魅力のある整備を進めたい」とする布村社長は「全国が注目する新幹線開業に合わせて事業を進めてきたが、そのチャンスを逃してしまう悔しさはある無事故での完成を使命として進めていきたい」と話している(今井正一)