道南スルメイカ漁が始まり、2日早朝、函館市水産物地方卸売市場に526キロの初水揚げがあった初漁としては例年より少ないイカの北上が早く、序盤の漁獲は高い水準になるとの予想に反して振るわず、低調な出だしとなった早速、函館市内のスーパーや鮮魚店の店頭に初夏の味覚が並んだ
1日に19隻が松前沖に出漁したが、漁が薄いため操業をやめて早めに切り上げた函館漁港では2日未明に戻った船が多く、漁業者が船底のいけすからイカをたも網ですくい、市場へ出荷した
田原正明さん(55)は「事前の予想が良かっただけに期待もあったが、イカがいる感じではなかった何とか出荷できる分だけ捕れたが、この数量では燃油代が賄えない」と嘆いた佐藤豊次さん(65)は「水温は高めだが、松前沖まで群れが来ていないようだ道南以南の日本海の漁場では水揚げされており、今後来遊してくると思う」と期待を込めた
午前5時半から市場で初競りがあり、526キロのうち、いけすイカは280キロで昨年と同じ1キロあたり5000円のご祝儀相場が付いた胴長は例年並みの10~15センチといい、函館魚市場営業一部漁船課の片瀬了嗣主任は「これからの漁に期待したい」と話した
スーパー魚長八幡通り店(亀田本町61)では、刺し身用として100グラム298円(税別)で販売大塚英俊店長は「初日は当初予定を下回る数量だったが、函館の夏の商材にイカは欠かせない」と、漁が上向くことを願っていた(山崎大和)