第29回人工知能学会(会長・松原仁公立はこだて未来大教授)全国大会は2日目の5月31日、同大で公開イベント「コンピューター囲碁はどこまで人間に迫れるか」を行った世界最強のコンピューター囲碁ソフト「Zen(ゼン)」と、函館白百合学園高卒でプロ棋士の下坂美織二段(27)=帯広出身、日本棋院東京本院所属=が対局し、下坂二段が勝利を収めた
コンピューター囲碁は人工知能研究の一分野で、大会での対局は今回で3回目一昨年の富山大会、昨年の松山大会ともコンピューターがアマチュアの強豪を破っており、初めてのプロ棋士との対局を見ようと多くのファンが集まった
会場では、開発チーム「DeepZen」の加藤英樹代表が代指し、小林覚九段が解説したZen側に3子のハンディを付けて行われた
前半は好勝負を繰り広げたが、後半に差が付いて最後は下坂二段が制した対局後、下坂二段は「3子を与えるハンディ戦で勝つことができてうれしい」と笑顔を見せたまた、「ハンディなしでコンピューターがプロに勝つには、まだしばらく時間がかかると思う」との認識を示した
対局を見守った未来大修士課程1年の松田隼士さん(23)は「同じ帯広出身なので、下坂さんを応援していたコンピューターも強く、人間に近い思考が実現できている」と話した(山崎大和)