刑事事件の被告として出廷した函館地裁の法廷内で男性検察官(当時52)にいすを投げつけるなどしたとして、公務執行妨害の罪に問われた函館市船見町、大学生の男(21)の初公判が4日、同地裁(布施雄士裁判長)であり、男は起訴内容を大筋で認めた。検察側は懲役1年を求刑し、即日結審した。判決は10月16日。
冒頭陳述などによると、強制性交等罪に問われた同被告は6月28日の判決公判で、同地裁から懲役5年6月の実刑判決を言い渡され、保釈効力が失効。法廷内で事務手続き中だった検察官に対し、証言台のいすを投げつけ、胸ぐらをつかんで職務を妨害したとされる。事実関係を争っていた一審の判決については不服として控訴した。
公務執行妨害については「胸ぐらをつかんだことは覚えていない」とする一方で公訴事実は争わないとした。被告人質問で犯行時の心情を問われ「検察官が笑っているように見え、家族がばかにされたと感じた。反省している」と述べた。
検察側は論告で「司法を軽視し、厳守されるべき法廷秩序を乱し、刑事裁判制度自体を揺るがしかねず悪質だ」などと主張。弁護側は今回の公訴事実については執行猶予付きの懲役3月が妥当とした。