【木古内】任期満了に伴う木古内町長選が12日に告示され、現職の大森伊佐緒氏(62)=無所属=以外に立候補の届け出がなく、無投票での5選が決まった。当選5回は、渡島管内の現職首長の中で最多となる。
町長選は、前回(2012年)に続き無投票となった。大森氏陣営は午前9時から町内の事務所で出陣式を行い、事務所前で第一声を上げた後は選挙カーで町内をくまなく遊説して政策を訴えた。午後5時に無投票での5選が決まると、事務所で待機していた大森氏は、支持者から大きな拍手と祝福を受けた。
大森氏は「身に余る光栄。無投票の重い責任を背負い、まちをリードしていく。近隣自治体とも手を結び、北海道新幹線の開業効果を享受することが必要。札幌延伸まで、道南から地域活性化ののろしを上げる思いで、まちづくりにまい進する」と抱負を述べた。
大森氏は今回「故郷(きこない)のさらなる躍進へ!」をスローガンに、新幹線の開業効果持続に向けて広域連携を進め、道南の活性化を目指すとした。最重要課題の人口減少と少子高齢化対策として、空き家の活用、体験型観光や町内周遊観光を推進し、定住・交流人口の拡大を図ると訴えた。保健・医療・福祉が連携した「地域包括ケアシステム」の確立、後継者の育成と経営の効率化を支援し、活気ある一次産業の実現も公約に掲げた。
大森氏は1953年、同町生まれ。木古内高校卒業後、銀行員や建設会社社長などを経て、2000年の町長選で当時の前助役との一騎打ちを制し初当選した。(斎藤彩伽)