函館短大保育学科の2年生11人が、保育現場でカウンセリングなど心理的援助を行うことができる「准学校心理士」の資格を取得した。同短大で今年度から取得可能となり、資格を手に今春から認定こども園や保育園などで勤務する学生たちは「資格を生かし、より良い保育を提供したい」と意気込んでいる。
同学科では教育現場で特別な支援を必要とする幼児、児童へのニーズに対応できる人材を育成しようと、2018年度から准学校心理士の資格取得ができるようカリキュラムなど体制を整えてきた。取得には同短大で「教育心理学」「特別支援教育」など4科目の履修が必要で、書類審査で取得が認められる。取得に向けた授業を振り返り、阿部桃花さん(20)は「特別な支援が必要な子どものタイプを知り、個別に対応する重要性を学んだ」と話す。
同資格は取得後に研修を受けることで、より専門的な知識を基に援助にあたる「学校心理士」の資格試験が受けられる。松本賢太さん(20)は「資格を基に現場での実践の中でスキルアップを目指したい」、依田ちなつさん(20)は「働きながら知識を蓄え、信頼される先生を目指したい」と抱負を語る。
学校心理士の研修を担当する同短大の藤井寿夫教授は「現場では子どもの支援に加え、保護者の育児への不安解消が期待される。資格を就職後の引き出しの一つとし、一人前の先生を目指してほしい」とエールを送る。(飯尾遼太)