大手飲料メーカー「伊藤園」(東京)が募集し、入賞作品が商品パッケージに掲載される「第31回伊藤園おーいお茶新俳句大賞」で、函館中部高校1年の山本彩也さん(15)が都道府県賞を受賞した。小学生のころ、父とともに化石探しに行った思い出から「アンモナイト父と冒険夏の川」と詠み「全国的にも有名なコンテストで、入賞できてうれしい。俳句に親しむきっかけにもなった」と笑顔を見せる。
同大賞に興味があった山本さんは、今春卒業した道教育大附属函館中学校3年の今年2月、学年全体で応募したいと教員に提案し、国語の授業の一環として取り組んだ。山本さんは授業の中で四季それぞれをテーマに、受賞作品を含む7句を考えた。
受賞作品では、幼少期から恐竜や化石に興味があったことから、森町の鳥崎川にアンモナイトの化石を探しに行った思い出を詠み「見つからなかったが、とても楽しく、記憶に残っている」と振り返る。最初の5音は「アンモナイト」と字余りで俳句ではまれなカタカナで始まるが「パッと目を引くインパクトを出したい」と工夫を凝らした。
今回は全国から約195万句の応募があり、このうち2000句の入賞作品の一つに山本さんの句が選ばれた。都道府県賞は240人が選ばれた。今月1日に受賞の知らせがあり「まさか入賞しているとは思わなかった。自分の句がパッケージに載るのも楽しみ」と笑みを浮かべる。
4月に入学した同校では中学から引き続き美術部として活動しており「絵と俳句は一瞬の場面を切り取る点で通じるものがある。俳句でのアイデアを絵の制作にも生かしていきたい」と意欲を見せる。(飯尾遼太)