来年3月に閉校する函館稜北高校(田邊禎明校長、生徒114人)は27日、同校で閉校記念式典を挙行した。新型コロナウイルス感染防止策を講じた上で、在校生や同窓生など約380人が参加。38年間の学校への感謝を胸に、残された3年生のさらなる活躍を祈った。
開催にあたり、感染防止のため、会場となる体育館のほか、校内の教室に出席者を分散させ、式典の様子を映像で配信した。このほか、動画投稿サイト「ユーチューブ」によるオンライン配信も行った。
田邊校長は式辞で「年々生徒数が減り、コロナ禍でも学校活動に励む在校生の姿は感動を与えてくれた。38年間、学校を支えてくれたすべての方々に感謝したい」と述べた。同校3期生で閉校記念事業協賛会の藤澤義博会長は「社会で必要なことを学べ、稜北高を選んで良かった。閉校する日が来るとは想像していなかったが、在校生は果敢に挑戦することを忘れず、稜北魂で全力で取り組んでほしい」とエールを送った。
生徒代表の西村拓人さんは「コロナ禍でも前向きに充実した最後の一年を過ごせているのはたくさんの人の支えのおかげ。『チーム稜北』の愛を感じながら、この学校で学んできたことを未来に生かしていきたい」と意気込んだ。
式典の最後に行った校歌斉唱は感染防止で大きな声を出すことができなかったが、生徒は歌詞の一つ一つを噛みしめながら、閉じゆく母校の歴史に思いをはせていた。
また、終了後にはスポーツジャーナリストの増田明美さんによる記念講演会も行われた。(飯尾遼太)