函館市中央図書館デジタル資料館に登録されているポスター画像を利用した歴史資料探索支援システム「おもしろい資料が見つかる試作システム」が期間限定で公開されている。開発者は、公立はこだて未来大学大学院修士2年の河辺雅史さん(23)。膨大な資料の全体像を把握し、見つけやすくするためのシステム開発研究の一環で、キーワードで自動分類、表示されたサムネイル(縮小画像)から関心のある画像を直感的に探すことができる。
河辺さんは、同大学が関わるデジタル資料館の開発メンバーの一人。サイトでは絵はがき約3800点、写真約3400点など多くの資料を公開している。河辺さんは「大量な資料があり、適切なキーワードを入れないとヒットしにくい」と話し、目的の資料が探しにくいと課題を挙げる。
試作システムは昨年7月時点でポスターカテゴリに登録された1673点を活用。「ビール アイスクリーム コーヒー」「地方自治体 国民 政府」といった自動で組み合わせた3つの言葉でグループ化され、サムネイル画像を表示。枠の大きさで資料の数も視覚化した。
例えば、「会 博物館 文化」には、1937年6月の来函時の「ヘレンケラー女史大衆講演会」の告知や北洋博など、催し物のポスターが分類される。画像は「資料名」「新着」「年代」「人気」などの順番に並び替えることができ、個別の画像は拡大もできる。
さらに、SNSに見られる「いいね」ボタンのようにハート型のアイコンでお気に入り登録ができ、自分以外の利用者とも「みんなのお気に入り」として共有でき、人気資料が一目で分かるようになっている。
2月4日までの限定公開だが、閲覧者のアクセス動向を調べて、システムの改善につなげる。河辺さんは「新たに追加された資料を探したいというニーズや、年代による表現方法の変化など資料の比較ができる。システムで興味のある資料を見つけてほしい」と話している。
システムは、デジタル資料館から閲覧できる。(今井正一)