箱館ハイカラ號の乗車会が24日、市電五稜郭公園前―湯の川電停間で開かれた。市民ら約30人が乗車し、車窓からの景色や客室に響く音などを楽しんだ。
函館チンチン電車を走らせよう会(高田京子会長)とNPO法人函館市電の熟練工の技を伝える会(村上英彦理事長)の主催。箱館ハイカラ號は新型コロナウイルスの影響で昨年度から通常運行を休止しており、この日は2団体が市企業局交通部の協力を得て、貸し切り運行として走らせた。
秋晴れとなったこの日は、駒場車庫を出発・終着点に午前に2回運行。1本目の車内では、参加者がカメラを手に車窓からの風景を撮影したり、機材を使って車内に響く音を録音したりする人もみられ、それぞれ思い思いの過ごし方で楽しんでいた。運行中、沿道にはカメラを構える人の姿も見られたほか、電車に手を振る親子などもいた。
乗車会の最後には乗車会参加を記念し、車掌から参加者へポストカードなどの記念品が手渡された。函館まちあるきガイドとして活動する函館市豊川町3の自営業、土田尚史さん(46)は「数年ぶりに乗車したが、運転士さんの高い技術により揺れが少なく、乗り心地も良かった。ハイカラ號にはこれからも活躍してほしい」と話していた。(野口賢清)