国内外の料理人が集い、自らの料理哲学や表現方法などを語り合う「第7回世界料理学会inHAKODATE」(実行委主催)が23日、函館市芸術ホールで開幕した。今回のテーマは「山菜」。初日はトークセッションや意見発表などを中心に行われ、約550人の来場者が一流料理人の熱い思いに耳を傾けた。24日まで。
スペイン・バスク地方サンセバスチャン発祥の世界料理学会を手本とし、函館では2009年から1年半に1回のペースで開いている。
この日行われたスペシャルセッションでは、札幌の「ル・ミュゼ」の石井誠シェフ、富山の「レヴォ」の谷口英司シェフ、和歌山の「ヴィラ・アイーダ」の小林寛司シェフが「地方から発信するガストロノミーの未来と革新」をテーマに対談した。
都会を離れて地方都市で経営する谷口さんは、自身の経験を踏まえて「個人の店が単独で情報発信するのは難しいが、地域を巻き込んで大きな盛り上がりを起こすことによって話題性を作ることが可能」と語った。一方、小林さんは「料理そのものに魅力がなければ成功は難しい」と課題を指摘し「地域独自の食材を生かす努力が必要」と訴えた。石井さんは「地域で頑張っている料理人の姿に憧れて、次の世代を担ってくれる若い世代が登場することに期待したい」と締めくくった。
最終日の24日は、午前9時半から同ホールで引き続き料理人による発表やセッションが行われる。一般の聴講も可能で、当日券は3000円。五稜郭タワーアトリウムでは関連イベントとして、午前10時から午後3時まで「北海道・青森県食材見本市」が開かれる。入場無料。(小川俊之)