国立音楽大北海道同調会(小野龍臣会長)は20日午後1時半から、函館市芸術ホールで「第13回定期演奏会くにたちコンサート」(函館新聞社など後援)を開く。8組が出演し、18世紀の古典から初演となる現代曲まで声楽、ピアノ、器楽と多彩な演奏で届ける。
同大の同窓生による演奏会で、札幌と道内地方都市で隔年開催し、函館では2015年の第8回以来。
演奏曲のうち、新作初演となる「INVITATION(インビテーション) Ⅴ ファゴットとピアノのための」は、2016年の第85回日本音楽コンクール作曲部門第1位となった八雲高校教諭の白岩優拓(しらいわまさひろ)さん(33)が手掛けた。八雲町出身で、同大音楽学部音楽文化デザイン学科音楽創作専修を首席で卒業後、同大大学院修士課程を修了、博士後期課程を単位取得で満期退学。教員となり、16年から八雲中、19年から母校で教壇に立つ。
「インビテーション」は大学在学中の2010年にトロンボーンとピアノ曲として1曲目ができ、電子オルガン、アルトサックスとピアノ、ピッコロとピアノ曲と、シリーズとして作曲を続けている。新作は演奏会に合わせ、ファゴットとピアノのための楽曲を依頼された。
北海道を意識し「ゴジラ」のテーマで知られる釧路出身の故伊福部昭さんの「同じフレーズが拍子を変え何度も繰り返される」作曲法を取り入れたり、白岩さん自身の研究テーマの音の対比と融合を交え、現代曲の面白さを伝える曲に仕上げた。
白岩さん「現代音楽はあまり好かれず、聞きなじみもなく、演奏したいという人もいないのが現状だが、面白いところがある。インビテーションは『現代音楽への招待状』という意味を持たせている」と話す。当日は、札幌交響楽団ファゴット首席奏者の坂口聡さん、ピアノは野村弓子さんが演奏する。
また、永留淳也さん(サックス)と堀内由美子さん(ピアノ)は、20世紀に活躍した米の作曲家ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」をソプラノ、アルト、テナーの3本のサックスを駆使し演奏。このほか、ピアノ連弾、ドニゼッティやプッチーニらのオペラ曲などのプログラムを予定。
入場は1000円。未就学児不可。問い合わせは北條さん(0138・43・6418)へ。(今井正一)