抗がん剤治療における病院薬剤師と
保険薬局薬剤師の連携
「薬剤師」というとどのようなイメージをお持ちでしょうか?医師の処方せんに基づいて薬を調剤して渡してくれる職業と思われている方も少なくはないと思います。しかし、薬剤師は調剤することに加えて、服薬をした後の副作用や日常生活・仕事への影響などに積極的に関わることが多くなってきています。特にその中でも抗がん剤治療への関わりは、薬の効果を最大限に引き出し、副作用を少なくする対策を講じる上で非常に重要と考えています。一般的な抗がん剤治療は、数種類の抗がん剤を併用する多剤併用療法が中心となっています。これは抗がん剤を併用することで、相乗効果を期待する使い方です。
一方でさまざまな副作用が発現する可能性もあるため、どのように副作用と向き合い、どのように早期に制御していくかを考えることが大切です。なぜなら副作用の管理は治療継続=治療効果に関わるものだからです。抗がん剤治療は外来通院しながら治療を行うことができる場合もあります。その際、患者さんの同意のもと、治療内容や副作用に関する情報連携を病院薬剤師と薬局薬剤師が行うという取り組みが近年多くなってきています。
当院でも病院薬剤師は診察前面談を通じて副作用の評価、予防や対処方法の働きかけを行います。情報連携を行うことで続く薬局薬剤師も状況を把握した上で服薬管理・指導が出来るため、患者さんにとって病院と薬局の間で切れ目のないスムーズな薬物治療を受けることが可能となります。診療の場において医師と違った視点で薬剤師が協働することにより、薬物療法のSafety Management(安全管理)に貢献できると考えています。
お薬のことでわからないことや不安があれば、われわれ薬剤師を活用していただければと思います。
(ハコラク 2020年9月号掲載)
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