商業施設などでの買い物やレクリエーションを通じて高齢者の健康増進に役立ててもらう「おでかけリハビリ」で、事業を支えるボランティアの輪が広がりをみせている。8月の開催では市内の小学生と高校生が臨時で協力し、参加者の買い物などをサポート。ボランティアスタッフは、募集を開始した昨年11月以降約10人に増加し、貴重な戦力となっている。
「将来、祖父や障害者を介護できるようにやってみたいと思った」。25日に函館朝市で行われたおでかけリハビリで、高齢者と一緒に買い物を楽しんだ道教大附属函館小学校6年の藤山るなさん(12)は、ボランティアとして参加した理由を説明する。
事業を主催するおでかけリハビリ推進協議会(松田悌一会長)は今夏、市内の小学生を対象にボランティアを募集。同小の2人から参加の申し出があった。「前からボランティアに興味があった」として参加した同校6年の坂根里佳さん(12)は高齢者との会話も弾んだといい、笑顔で話した。
イオン湯川店であった17日の開催には、函館ラ・サール高校野球部の部員約10人も参加者の買い物などに協力。同協議会は市内の教育機関と連携し、今後も冬休みなどにボランティア体験会を企画する考えだ。
こうした臨時で協力した児童、生徒以外に現在ボランティアとして登録するのは、60代を中心に7人。同協議会によると、「看護師の資格を生かしたい」「一緒に体力づくりをしてコミュニティーの場を楽しみたい」として、申し込みがあったという。
ボランティアには1回参加するごとに商品券と交換できる専用コインが与えられ、活動の動機付けにもつながっている。ただ、おでかけリハビリは介護施設や町会などから多数の参加がある回もあり、事業の継続にはボランティアの力が不可欠だ。
松田会長は「今後もボランティアの確保に努め、開催日や地区によってスタッフを振り分けて負担を減らせるようにしたい」と話している。(山田大輔)