函館市鈴蘭丘町に研究施設を持つ浅井ゲルマニウム研究所(本社・神奈川県川崎市)と北海道大学との共同研究による研究成果「インフルエンザウイルスをはじめとする、RNAウイルス感染に対するアサイゲルマニウム(有機ゲルマニウム)の影響」をまとめた論文がこのほど、世界的に著名な科学ジャーナルサイトに掲載された。同社研究員の島田康弘さんは「アサイゲルマニウムがウイルス増殖を抑制するメカニズムが明らかになった。今後はさらに効果的な効果を得るために研究を続けていきたい」としている。
同社は創業者の故浅井一彦氏が、世界で初めて合成に成功した有機化合物「アサイゲルマニウム」を製造し、健康食品や化粧品などの素材としてメーカーに提供しているほか、体内への作用効果などを研究している。アサイゲルマニウムは食品原料の有機ゲルマニウムとしては国内唯一、第三者機関による「健康食品の安全性自主点検認証登録制度」に認証登録されている。
北大遺伝子病制御研究所などとともに、インフルエンザ感染症に対するアサイゲルマニウムの防御効果について研究を続けてきた。今回明らかになったのは、「アサイゲルマニウムがウイルスのRNAと結合することで、感染後の早い段階に反応を抑制し、炎症物質の発生を抑制する」ことと、「ウイルスの複製にかかるウイルスポリメラーゼに作用し、ウイルスの増殖を抑制する」ことの2点。
島田研究員は「これまでもアサイゲルマニウムのインフルエンザ抑制効果を確認してきたが、今回の研究成果によりウイルス感染防御に対するさらなる貢献が期待できるほか、RNAが関係する炎症系疾患に対しても役立つ可能性がある」と話している。(小川俊之)