函館市医師会(本間哲会長)は14日、新型コロナウイルスの検査拠点「函館市地域外来・検査センター(PCR検査センター)」を開設すると発表した。かかりつけなど地域の医療機関が検査を必要と判断した人が対象で、検体採取は「ウォークスルー方式」。5月中に開設する予定で、道内自治体では札幌市に次いで2カ所目の導入となる。
同日、函館市役所で同会の平山繁樹理事と市保健福祉部の大泉潤部長が公表した。
開設場所は非公開で、テントを設営する。検査はテント内に手袋が付いたボックスを用意し、医師が入って来所した人の検体を採取する。土、日曜祝日以外の毎日午後0時半から約1時間実施し、1日当たり10~20人を検査する。検査に当たる医師は同会所属の有志。検査費用は公費負担制度があり無料。
受け入れるのは比較的軽症でかかりつけ医が検査を必要とした人のみで、自家用車で来られる患者に限る。主治医から同センターに連絡後に検査をする。検体採取後に同会健診検査センターでPCR検査を行う。結果は主治医から電話で報告され、陽性の場合は同センターが保健所に連絡する。
同事業は、函館市と道が同会に委託するもので、検査体制強化で医療機関の感染リスク低減や負担軽減など図られる。PCR検査の拡充を求める声は医療機関側や患者側からも大きかったという。
平山理事は「不安だからという理由では適応外だが、軽症者の早期発見につなげたい」と話した。また、新型コロナウイルスは飛沫と接触感染が主で、空気感染はしないため同センター周辺での感染はほぼないと説明した。
同会は4月下旬に「市医師会新型コロナウイルス感染症対策本部」を立ち上げ、市内で感染者が増えた場合に備えた対策などを検討してきた。(小杉貴洋)