お天気痛について
雨降る前や、前線が通過するとき、台風が発生した時など天候が崩れる前、体に痛みを持っている人の症状が悪化することが知られています。気分がすぐれなくなることも多くあります。しかし、健康な人や体に痛みのない人は、まったく何も感じないことが多いです。そのため、お天気痛の人の体調の悪さを健康な人は理解できないことが多く、天気痛の人は周囲の人々からどうして痛いんだろうと思われることがあります。
近年、お天気痛の原因が分かってきました。また、それに対する対処方法、治療薬もあります。お天気痛は体にかかる圧力(気圧)の急な変化が原因の一つです。気圧が10ヘクトパスカル上下すると10㎝四方に1㎏の圧力が上下します。圧が変化すると体内の血管の容量が変化しますが、急激な変化が起きないよう血管の張りを変化させます。これは自律神経(交感神経、副交感神経)の働きで血管の緊張を自動的に変えます。 気圧の変化は内耳で感知します。内耳のリンパの流れが重要な役割をします。内耳に影響を与える姿勢異常、頚椎の異常、背骨の異常があると気圧の変化に十分に対処できず自律神経に変調を来すことがあります。内耳には気圧の変化を感じるセンサーがあります。内耳から「環境が変化した」という信号があったときに、視覚的に「問題なし」と判断すると信号の乱れが生じます。すると、内耳からの信号と視覚からの情報が上手く処理できず、ズレによる耳閉感やめまいが誘発されます。防止するためには正しい姿勢を保ち、トイレや椅子、ベッド、床からの立ち上がりなど正しい起居動作が必要です。内耳の変化を感じとるためリンパの流れを保てるような薬剤なども効果が期待できます。耳を温め耳のマッサージをすることで、内耳の血流を良くし、リンパの流れを正常に近づけられることもあります。正しい姿勢と知識で自分の体を知り、痛みのない生活を楽しみましょう。
(ハコラク 2023年1月号掲載)
略歴
昭和55年、岩手医科大学卒業後、同大附属病院麻酔科助手、昭和62年、函館五稜郭病院麻酔科、平成元年、函館脳神経外科病院を経て平成2年、やなづめ医院開院。日本麻酔科学会麻酔科専門医。
やなづめ医院
函館市日吉町3-43-20
☎0138-32-5000
■診療科目/ペインクリニック内科、リハビリテーション科
麻酔科(簗詰泰彦)
■診療時間/〈ペインクリニック内科〉8:30~11:30
16:00~18:00
〈リハビリテーション科〉8:30~12:00
15:00~18:00
〈麻 酔 科〉8:30~11:30、16:00~18:00
〈理学療法〉8:30~12:00、15:00~18:00
※いずれも水・土曜は午後休診
■休診日/日曜・祝日