目立たない歯列矯正「マウスピース矯正」

　２０２２年６月30日、厚生労働省より最新の「患者調査」の結果が発表されました。前回の２０１７年の調査に比べ２０２０年では、初診の矯正患者数が3.6倍との調査結果がでました。前歯だけの矯正をマウスピース矯正で行う歯科医院が増えたことが要因の１つと考えられます。
　マウスピース矯正とは、今までのような、ワイヤーやブラケットを使わず、透明なマウスピース型の装置で歯を動かす新しい矯正方法です。目立たず、周囲の人に気付かれにくいのが特徴です。また、口腔内スキャナーを使用することで、口腔内をデジタル化し、ほかの矯正医や技工士と情報を共有・シェアすることができます。これによって、診断や治療計画がエビデンスを元に最適化を行えるようになりました。つまり、先生の腕の差が小さくなりました。
　前述のようなメリットもありますが、デメリットもあります。マウスピース矯正は、長時間（20時間以上）装着する必要があります。「取り外しができる」メリットの裏返しとして、長時間装着するには患者様の努力が必要となります。マウスピースは薄いものですが、患者様の努力によって治療効果が左右される、という点がデメリットの１つと言えるかもしれません。食事や歯磨きの時、お仕事でどうしても必要な時の短時間以外はマウスピースを外さないようにしてください。また、マウスピース矯正では難しい症例の対応ができないことがあります。そのため、マウスピース矯正が適応かを、治療前にデジタルデータでほかの矯正医などと情報共有し、可否の判断ができることは、最大のメリットかもしれません。
　マウスピース矯正はこんな方におすすめの治療法です。目立たないで矯正をしたい方。主に前歯だけの歯並びを治したい方。治療後のシミュレーションを共有したい方。矯正中もしっかりと歯磨きしたい方です。
（ハコラク　２０２２年１１月号掲載）

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略歴
平成１４年、東京歯科大学卒業後、東京都内の歯科クリニック勤務を経て平成２１年、にしかわ歯科本通りクリニック勤務、平成２４年に院長に就任。

にしかわ歯科本通りクリニック
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☎０１３８‐５３‐３３７７
https://www.hakodate-shika.com　
■診療科目／歯科、小児歯科
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