みずむしの話
みずむしは白癬菌というカビの一種が原因です。この菌は温度や湿度が高いと活発になるため夏の時期に発症することが多いのです。「足の裏や指の間の皮がジクジクしてめくれてくる」「カサカサして皮が厚くなる」「爪が変色してくる」などが代表的な症状です。逆に「かゆみ」は無いこともあり、先の症状があってもみずむし以外の皮膚病であることもあり、診断は顕微鏡検査で行います。通常は5分から10分で結果が出ます。治療は足の皮膚には塗り薬、爪に病変がある場合は飲み薬を併用する方法が一般的です。また、肝機能に異常があるなど、飲み薬が使えない方には従来よりも効果の高い、爪みずむし用の新しい塗り薬を使うこともあります。
白癬菌の感染力は強くはありませんが、みずむしの人が素足で使用したスリッパや浴室の足ふきマット、カーペットなどは感染源となります。スリッパは共用しない、マットやカーペットはこまめに洗い、掃除機をかけるなど、感染を広げない注意が必要です。足以外にも手や股、体や頭にみずむしがでることもあります。
近年では女性のみずむしも増加しています。温泉やスポーツクラブに行ったり、ブーツを履いたりなど、ライフスタイルを反映してのことと推察します。みずむしを放置すると傷口から雑菌が入り、足が腫れたり、爪みずむしの場合では歩きにくくなるなど生活に支障がでることもあります。 感染するかどうかは白癬菌に対する免疫力の違いによるもので、みずむしイコール不潔ということではありませんので恥ずかしがる必要はありません。もし、みずむしだったとしたら放置しても良いことはありません。疑わしい症状のある方はお早めに検査、治療を受けられることをおすすめします。
(ハコラク 2018年8月号掲載)
略歴
愛媛大学医学部医学科卒業。同大学医学部附属病院、東邦大学医学部附属大森病院、昭和皮膚科クリニックなどへの勤務を経て、平成18年3月、みなとまち皮膚科菊地医院開院。日本皮膚科学会皮膚科専門医。
みなとまち皮膚科菊地医院
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