おねしょと付き合う
おねしょは、5、6歳で約15%、小学校低学年で約8%、小学校高学年でも約5%に見られます。12歳を過ぎると、その多くは消失していきます。おねしょへの対処の基本は「待つ」ことです。「怒らない、起こさない、あせらない」の三原則と言います。
小さいうちは昼も夜も同じようにおしっこをしていますが、年齢とともにだんだん夜のおしっこの量と回数が減ってきます。それは、抗利尿ホルモンという物質が分泌されて、夜に作られるおしっこの量が減るからです。また、膀胱が大きくなって朝までためられるようになったり、たくさんたまると自然に目が覚めるようになったりということも影響しています。
抗利尿ホルモンは、本来、日中に少なく、夜にたくさん分泌されるという一日のリズムをもっています。ただし、このホルモン分泌やリズムの成熟には相当個人差のあることが知られています。年齢とともに次第に成熟し、おねしょから卒業していけます。
積極的な介入をすることにより、卒業を早められます。まずは、①規則正しい生活をする②寝る前の水分を控える③塩分を控えめに④便通を良くする⑤寝る前にトイレに行く⑥暖かくして寝る⑦夜中に起こさない、という生活療法から始めます。
おねしょをすることで、心理的な注目を得ようとする場合がまれにあります。周りからあまり強く言わないようにすること、良いところを認め、積極的に家の仕事を頼んだりして、生活を豊かにすることが大切です。
卒業しにくい時は、夜間の尿を減らすための抗利尿ホルモンや膀胱容量を増やすための抗コリン剤、排尿反射を成熟させる夜尿アラーム療法をしたりすることもできます。一度、病院で相談されることをお勧めします。
(ハコラク 2019年1月号掲載)
略歴
昭和59年、北海道大学医学部卒業。同年4月から北海道勤医協札幌病院に8年間勤務後、静岡てんかん・神経医療センター小児科、道南勤医協稜北病院小児科医長を経て、平成21年9月、はるこどもクリニックを開院。平成23年12月病児保育所はるっこ開設。日本小児科学会小児科専門医、日本小児神経学会小児神経専門医。著書に「いいとこ探しののびのび子育て」あり。
はるこどもクリニック 病児保育所はるっこ(はるこどもクリニック併設)
七飯町本町6-7-42 ☎0138-65-0500 http://haru-kodomo.com
■診療科目/小児科
■受付時間/月8:50~12:00、15:00~18:00、火8:50~12:00、16:00~18:00、水・木・金8:50~12:00
土8:50~15:00 ※火14:00~16:00は乳幼児健診
※水・金の午後は予約診療15:00~18:00
■休診日/日曜・祝日