おたふくかぜワクチンを受けましょう
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は耳の付近にある耳下腺が腫れる病気として、みなさんご存知のことと思います。おたふくかぜウイルスに感染して、2~3週間程度の潜伏期をおいて症状が出てきます。おたふくかぜの診断は難しいです。周りで流行していない時も、ご注意下さい。
おたふくかぜでは感染したものの耳下腺が腫れる症状が出ない、いわゆる不顕性感染が20~30%あることが知られております。函館市内近郊では平成28~29年にかけて流行があり、1000人以上のおたふくかぜの報告がみられました。
おたふくかぜの症状は、耳下腺が腫れることです。これは1週間程度で治ります。思春期以降では睾丸炎や卵巣炎が合併しますが、かかるのは幼児期が大半ですので、心配な合併症はおたふくかぜによる髄膜炎と難聴ということになります。
おたふくかぜによる髄膜炎は症状が出た人の10%に出ると言われています。しかし、症状は一般的に軽く、後遺症が残ることはないと言われています。重篤な合併症は難聴になることです。今年のNHKの朝ドラを見ていた方は、主人公がおたふくかぜの症状が出ないのに、片側の難聴になったというお話を知っていると思います。おたふく難聴は、昔は1万人に1人程度と言われていましたが、最近の報告では200~300人に1人の割合で症状が出ているとの報告が相次いでいます。ごくまれには両方の難聴になる子供がいます。難聴を予防する唯一の方法がワクチンの接種です。
ワクチンは2回の接種が必要です。MRワクチン(麻疹風疹混合ワクチン)と一緒に接種と覚えて下さい。おたふくワクチンは任意接種でお金がかかりますが、ワクチンで予防できる病気はワクチンをしてかからないようにするというのが鉄則です。
(ハコラク 2018年11月号掲載)
略歴
昭和61年、北里大学医学部卒業。北海道大学病院小児科、市立函館保健所、函館共愛会病院小児科などの勤務を経て、平成15年11月、かみいそこどもクリニックを開院。所属学会は日本小児科学会小児科専門医。北海道子どもの虐待防止協会道南支部代表も務める。
かみいそこどもクリニック
北斗市中央2-4-3 ☎0138-74-2611 http://www.kamiisokodomo.com/
■診療科目/小児科
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