女性ならではの気遣いにあふれた信頼できる店
中島廉売「魚屋通り名店街」の一角に店を構える「鮮魚ささき」は1965年に開業。現在は父の店を残したいと、前浩美店長と姉の太田昌美さんが2代目として看板を守っている。毎朝揚がったばかりの地物を、確かな目利きで仕入れるのは前店長、仕入れた活魚を手際良く下処理するのは太田さんと、主な役割を分担。「近所のお年寄りの方も多いから」と、店頭販売だけでなく常連客への配達も行う。刺身をさばく時も、イカは食べやすいよう細切りにするなど、きめ細やかな配慮が優しい姉妹の明るい人柄を慕い、足しげく通う客も多い。
2016年に暖簾を掲げた「旬菜旬魚たじま」の田嶋勇大将もその1人。「買うものがなくても、話をしに来たくなるんですよね」と朗らかに笑い、毎日、店に顔を見せる。付き合いは修業先の和食店の店主に連れられて来た頃からで、9年来になるという。コリコリとした食感の鮮度の良い刺身、ふっくらとした身に脂の乗った焼き魚、旬を盛り込む一品料理…。田嶋大将と、同じく料理人の怜女将が磨いた腕を振るい、客を満足させる料理を生み出すのに欠かせない豊富な品揃えを誇り、鮮度の良さと丁寧な下処理は、自ら山海に赴き食材を集める田嶋大将も信頼を置く。何より「使いたいと考えていた魚や、珍しい魚を注文しなくても先に用意してくれていることも多い」と料理人の好みを熟知した洞察力と、細部に目が行き届く気遣いも頼りにしている。
(ハコラク 2022年8月号掲載)
鮮魚ささき
函館市中島町22‐13 中島廉売内
☎0138‐52‐3253
10:00~16:30
日曜定休 P有り
旬菜旬魚たじま
函館市美原3‐38‐3
☎0138‐83‐7448
17:00~23:30(23:00L.O)
日曜定休
禁煙 P有り
クレジットカード利用可
インスタグラム「tajimarei」