箱館戦争終結の舞台にもなった
〝亀八〟の愛称で親しまれる神社
先祖が積み重ねてきた知恵と歴史を大切にし、日本人としての心の在り方を伝えてきた「亀田八幡宮」は、1390年に越前国敦賀郡気比神宮(福井県)から、八幡大神の分霊を現在の地に奉遷されたのが始まり。江戸時代の蝦夷地大乱時、松前藩主・慶広が必勝祈願をささげ大勝したのは八幡宮の加護だと感謝し、藩祖・信広の大弓半弓矢を奉納。松前藩が祈願所として位置づけ、1603年に本殿と拝殿を建立した。幕末期には箱館奉行が大鳥居を奉納。1863年には社殿を改築し、現在では拝殿が神輿殿として残る。箱館戦争時には境内が戦場ともなり、69年の戦争終結時は旧幕府軍の榎本武揚、大鳥圭介らが神前で降伏の誓約をしたことから、幕末ファンの注目も集めている。
御祭神の八幡大神は誉田別命とも言われる応神天皇の神霊で武芸、勝負事の神として敬われ、毎月1日と15日には同町内の老舗「なか川菓子舗」が境内で販売するまんじゅうなどを供物に信仰の深い人たちが参拝。常時であれば初詣や参道にたくさんの露店が立ち並ぶ9月の例大祭には、大勢の人たちで賑わいを見せる。また、学校や地域の社会見学に応じ、全国陶器まつりの会場として境内を提供するなど地域との結び付きを深め、人の営みとともに歩み続けている。
(ハコラク 2021年11月号掲載)
亀田八幡宮
函館市八幡町3‐2
☎0138‐41‐5467
社務所8:30~17:00
無休 P有り