江戸末期、北方警備の拠点
駒ケ岳の姿が映える榎本武揚らが上陸した海岸
1868年、蝦夷地での建国を目指した榎本武揚が新選組の土方歳三らと共に軍艦8隻、2500~3000人の旧幕府軍の兵を率いて上陸した「森町鷲ノ木村」。ここから箱館へ陸路進軍を開始し、開戦後は旧幕府軍の後方陣地となった箱館戦争を語る上で欠かせない歴史的な要所だ。「上陸地」の碑が立つ静かな海岸から内浦湾と秀峰・駒ケ岳を眺め、旧幕府軍の兵たちの夢に思いを馳せる。新政府軍との戦いに降伏した榎本はその後、開拓使に出仕し、箱館と札幌を結ぶ日本で最初のマカダム舗装路札幌本道の建設を指揮。森町の桟橋工事では橋脚に鷲ノ木村産の原油を塗り防腐処理を行ったという。JR森駅裏の「森桟橋跡」では当時の橋脚の姿が見られる。国道278号線沿いにある国指定史跡「東蝦夷地南部藩陣屋跡砂原陣屋跡」は、江戸末期、幕府が盛岡藩(別称・南部藩)へ北方警備に当たらせた屯所地。高さ約3mの土塁が今も残っている。
(ハコラク 2020年5月号掲載)
【森桟橋跡】
森町御幸町
問い合わせ/森町教育委員会社会教育課
☎01374-2-2186
【東蝦夷地南部藩陣屋跡砂原陣屋跡】
森町砂原3
問い合わせ/森町教育委員会社会教育課
☎01374-2-2186
【榎本軍鷲ノ木上陸地跡】
森町鷲ノ木町
問い合わせ/森町教育委員会社会教育課
☎01374-2-2186