カウンターのある個室で一流のもてなしを受け肩の力を抜く
繁華街の中心に立つホテル2階に暖簾を掲げる「鮨 ひろ季」は、大将の緋田広樹さんが腕を振るい、「函館らしい」寿司や料理でもてなす名店。仕事帰りや宴席に、また、旅行の思い出にと立ち寄る客でにぎわいを見せる。函館近郊で揚がる本マグロを店の看板とし、市場を回り直接目利きするほか南茅部地区の網元などからも仕入れた新鮮な食材は、こだわりの強い食通たちを満足させている。
この店が現在のホテル内に移転したての頃、知人の紹介で初めて訪れた原口さん。寿司をはじめ、ひと手間掛けた一品料理の数々、酒匠でもある妻の和美さんがセレクトした日本酒はもちろん「高級感の中に漂うあたたかさ、爽やかな大将と気さくな女将の人柄、どれをとっても一流で、誰にでも胸を張って紹介したくなる」と、来函した友人・知人を連れたプライベートの時だけでなく、仕事の打ち合わせにも利用する行きつけの店になった。
特に気に入っているのはL字カウンターが設置されているプライベート感たっぷりの個室。頃合いを見て大将の緋田さんが顔を出し、カウンターに立って寿司を握る時間が好きなのだという。食べやすいように包丁を入れたり、表面を軽く炙ったりとネタに合わせて旨味を引き出す丁寧な仕事、米粒の程良い存在感と口の中ではらりとほどけるシャリの絶妙な握り具合…気持ちがこもる所作は思わず見惚れてしまうほど。「その握りを区切られた空間で間近に見られる個室は、秘密の場所で大将を独占しているかのような特別感がある」と、少人数で訪れたい時には必ずといって良いほど予約する。
原口さんの好みを考慮して振る舞われる心尽くしの料理の数々と肩ひじを張らない会話に興じる時間は、患者の命を預かり、気を張り詰めている原口さんの緊張感を緩め、明日への活力を与えてくれる。
(ハコラク 2020年2月号掲載)
鮨 ひろ季
函館市本町26‐17
ホテルマイステイズ函館五稜郭2F
☎0138‐55‐5553
17:00~23:00
日曜定休
(月曜祝日の場合は営業し、月曜休み)
分煙 契約P有り
キャッシュレス決済利用可