函館に定着し10年、20年愛される店に
西部地区・常盤坂の上に立つ「ごはんおやつ シプル」は、古民家を利用し昨年12月にオープンした飲食店。真っ白に塗られた板壁に大きなガラスが入った引き戸、赤い屋根が鮮やかに映える。玄関の土間、梁が見える高い天井、格子ガラスの窓、板張りの床が積み重ねた年月を感じさせる。
店を切り盛りするのは、出身地・白老町から移住してきた山田都志樹さん、麻由さん夫妻。都志樹さんがピザやパスタ、麻由さんがおばんざいや定食、おやつを担当し、函館産の食材を取り入れたメニューを週替わりで振る舞う。以前は白老町でイタリアンの店を経営していたが、「今までとは違うスタイルの料理を提供したい」と新たな道を模索。移転を考え、札幌を中心に物件を探すものの条件が合わず、函館まで範囲を広げ、大正時代に建てられたという和洋折衷の一軒家に出合った。雰囲気はもちろん、水回りの広さや使いやすさなど実用面も魅力的で、西部地区への移住をサポートする「箱バル不動産」の協力もあり、昨年8月に購入を決定。週末は白老町で店を営業し、平日は函館に通い、内装のほとんどを自分たちの手でリノベーションし、12月上旬に完全移住した。
「しっかりご飯が食べられる普段使いの店として、また、コーヒー1杯からでも気軽に来てほしい」と山田さん夫妻。店とともに歴史を刻んでいく。
(ハコラク 2019年3月号掲載)
ごはんおやつシプル
函館市船見町7‐24 ☎0138‐76‐8930
11:30~20:00(19:30L.O)
水、第1・3木曜定休 P有り