離れて住む祖母の家でくつろぐような 気の置けない居心地の良さ
板と板の間に少しできた隙間にレトロ感漂う床、古い木の電柱を利用した柱など、手作りの内装はどこか古き良き時代を思い出させる。「旧・冨紗家宮前店が閉店になり、この味のある店を取り壊すのは勿体なかった」と、元スタッフの近江谷和法代表が店舗を受け継ぎ、今年7月独立開業した「炭火焼鳥・海鮮 あじと」。前店のレトロな雰囲気を消さないよう、仕切りを取り外すなどほんの少しだけ手を加え、誰でも過ごしやすい空間に改装した。
調理から接客まで業務全般を任されていた前の店でのスキルを生かし、メニューは海鮮、串焼き、洋食と大人も子供も楽しめるよう幅広い。「刺身盛り合わせ4・5人前」(3500円)は、地元産を中心に、旬の魚介や水槽の中の活貝などが堪能できる。この日はマグロなどのほか、鮮度の良い今時期しか食べられないサンマや活ホタテ、活ツブ、ヒラメの5点盛りを用意。また、「炭はひとつとして同じものはなく、決まった火力もない。自分の技術や長年の感覚だけを頼りに火加減を調整し、ほんのちょっとの違いで味が変わる」と言い、丁寧に焼き上げた串焼きはふんわりジューシー。「串盛」(おまかせ5本600円)は、ヤゲン、テール、豚精肉などを塩・コショウでシンプルに素材の味を愉しむのがおすすめ。旨味が凝縮した「自家製卵黄味噌づけ」(150円)や「自家製クリームチーズ味噌漬け」(480円)は日本酒の肴にぴったりだ。アルコールはビール、日本酒のほかカクテル100種類以上を揃え、ソフトドリンク込みで140種類弱の飲み放題メニューもある(2時間1500円)。
「気軽に寄れて気軽に食べられる。メニューにないリクエストもどうぞ」と近江谷さん。程良くにぎわう店は心置きなくくつろげる、なんとも言えない心地良さがある。
(ハコラク 2018年11月号掲載)
炭火焼鳥・海鮮 あじと
函館市宮前町25‐8 ☎0138‐76‐6028
17:00~24:00(23:30L.O) 不定休 P有り