【七飯】「王様しいたけ」を生産・販売する福田農園(町鶴野、福田将仁社長)は、新型コロナウイルスの影響で行き場を失った乾燥シイタケを多くの人に食べてもらおうと、インターネット上で資金を募る「クラウドファンディング(CF)」を展開している。すでに目標額はクリアしたが、飲食店とコラボレーションした特別ディナーの提供などリターン品を用意し、支援を呼び掛けている。10月11日まで。
同社はコロナが流行し始めた昨年2月以降、道の駅での販売や百貨店での物産展が相次いで中止となり、飲食店の休業や時短も重なって生シイタケの流通が停滞したため乾燥シイタケの生産にシフト。しかし、乾燥シイタケの在庫は1・5トンにまで膨らみ、福田社長(49)は「かつてない厳しい状況で、販売環境は一向に改善しない。コロナ収束後の需要に応えるため、生産量は落とせない」と説明する。
王様しいたけは半年前から仕込みが必要で、同社は生シイタケ換算で年間40~50トンを生産している。
CFは、国内最大の「キャンプファイヤー」を使い購入型。出資金1000円~10万5000円に応じ20品目のリターンを用意。既に北斗市のフランス料理店のディナー9000円コースは完売した。
このほか、飲食店とのコラボディナーは、普段から王様しいたけを使っている料理人がいる札幌市2店舗、東京3店舗で行い、福田社長が店に出向いて王様しいたけの特徴を解説する。
また、特別リターンとして農園ツアー(収穫体験、バーベキュー)が5万円、キノコ定期便が4万5000円、菌床オーナー制度は5菌床1万8000円、30菌床10万5000円もある。
目標を200万円としたが、現在の支援額は220万円を超え、支援者も200人を上回った。福田社長は「初のプロジェクトで、目標が達成できてありがたい。CFは王様しいたけの再生産に生かすのはもちろん、支援者が顧客になり得る可能性も生まれるので、引き続き支援をお願いしたい」と呼び掛ける。
サイトは(https://camp―fire.jp/profile/Fukuda_Farm/projects)で。(山崎大和)