昔ながらの黄色いカレー
代々引き継がれた懐かしの味
かつて江差から函館にニシンを運ぶ馬車追いが行き交い、繁華街として栄えた明治時代の厚沢部町で、初代・前井リヌさんがうどん店として立ち上げた「前井食堂」。創業時から自家製麺を提供するうどんは、レシピを改良しながら124年経った現在まで受け継がれ、メニューが増えるにつれ、焼きそばやラーメンなど、麺類全てを毎朝製麺するのがこの店に欠かせぬ伝統となった。50年以上親しまれてきた「カレーライス」は、カレー粉と小麦粉を焦げ付かないようバターでじっくりと炒める〝黄色いルウ〟が名物で、スパイスが優しく香り、クリーミーでコクのある味わいは、「昔は家庭でもこうやって作っていた」と懐かしみこの味一筋に通う常連客も多い。創業者の玄孫で5代目店主の敏弘さんは、「人があっての飲食業。店を介して生まれた人との繋がりが一番の宝物」と、厚沢部町観光協会の会長として地域のPR活動にも取り組み、愛する故郷を盛り立て自慢の味を守っている。
(ハコラク 2021年10月号掲載)
お食事処 前井食堂
厚沢部町本町45‐7
☎0139‐64‐3053
11:00~15:00
17:00~20:00(各30分前L.O)
※木曜はランチのみ営業
日曜定休
禁煙 P有り
キャッシュレス決済利用可