南茅部高校(藤井浩之校長、生徒28人)でこのほど、リモートによる今年度の生徒会役員選挙が行われた。生徒会長など役員に立候補した6人がパソコンの前で演説に臨み、そのほかの生徒たちはスマートフォンなど自分たちの端末を使って、各教室で立候補者の主張を聞き入った。
同校では昨年度、新型コロナウイルスの影響から、校内放送を活用した生徒会選挙を計画したが、放送では〝立候補者の顔が見えない〟ため、感染防止対策を徹底したうえで、対面での選挙を実施した。今年度は4月に校内にWi―Fi環境が整備されたことを踏まえ、緊急事態宣言中であることなどを考慮し、対面接触を避けながらも顔が見える初めてのリモート選挙の実施を決めた。
今年度は生徒会長1人、同副会長2人、書記2人、会計1人に対し、2年生3人、1年生3人の6人が立候補し、信任投票に。立候補者は視聴覚室からパソコンを使い、リモート演説に臨んだ。生徒会長に立候補した松原凛さん(2年)は「入学したころからコロナ禍で学校生活にもさまざまな制限がかかる中、生徒会役員のこれまでの活動を目にして、私も皆さんが学校生活を楽しめる学校づくりを目指したいと感じた」などと、画面越しに立候補した思いを語った。
演説を終え、松原さんは「演説を聞いてくれている生徒の顔が見えないのは少し緊張したが、伝えたかったことはしっかりと伝えられた」と話していた。
藤井校長は「緊急事態宣言下で学校行事の中止や延期、縮小が求められている中で、生徒会役員選挙は立候補者の表情や声も重要な要素。昨年度と比べ『できること』の推進バランスが学校体制下で一歩前進できていることはありがたい」としている。(野口賢清)