函館市本通3の市道が交わる丁字路(本通3丁目交差点)が21日から、青信号の代わりに左・右・直進を示す青色の矢印信号で自動車の進行を指示する「セパレート(分離)式交差点」に切り替わった。同時に、歩行者用の横断歩道も歩車分離式信号に更新。車と歩行者の通行を完全に分ける道内初の交差点で、交通事故の未然防止を目指す。
道警によると、2019年に同交差点で発生した人身事故は8件(うち重傷1件)で、そのほとんどが車の右左折時に歩行者や自転車と衝突。道内で4番目に事故が多発する交差点となった。
同交差点付近には小学校と高校が計3校あり、通学路に指定され自転車の利用者が多いほか、通勤・帰宅の時間帯には渋滞が頻発。赤信号になる前に急いで曲がろうと進入したドライバーが歩行者と衝突する事故が起こる危険があった。
道警函館方面本部が新たに導入したセパレート式における車の進行パターンは▽産業道路側右折、五稜郭側左折可、道道83号(電車道路)側は歩行者のみ通行可▽産業道路側と道道側が直進可、五稜郭側の歩行者通行可▽五稜郭側右折、道道側左折可、産業道路側の歩行者は通行可―の3つ。いずれも車と歩行者が交差しないメリットがある。
セパレート式に移行した同日午後4時ごろ、函館中央署交通1課の署員ら約15人が街頭に立ち、本通町会関係者や付近の店舗、市民にチラシを配り、同交差点における注意点などを指導。同課の久保田貴行課長は「主に地域住民が利用することが多いのでしっかり周知に努めたい」と話している。
秋の全国交通安全運動期間中(30日まで)は、同課署員が朝に同交差点で交通指導に当たる。(長内宏人)