【知内】知内町地域産業担い手対策連絡協議会(会長・西山和夫町長)は16日、JA新はこだて知内基幹支店、あすなろ福祉会と協働で、農業分野と福祉分野が連携し、障害者が農業に携わる「農福連携」の試験事業を開始した。障害や健康状態に合った仕事を行うことができ、雇用契約を結ばない「就労支援B型」での農福連携の取り組みは道南では初。(佐藤由紀彦)
知内町のネギの生産量は2016年からの直近4年間で、1604トンから1926トンと20%増加し、販売金額も25・6%増えている。これに対して従事者数は、延べ人数で16・5%減少し、生産量と農業従事者のギャップが生じ、人手不足が地域課題となっている。
あすなろ福祉会の利用者を就労支援を行いながら雇用することで、生産者にとっては労働力不足の解消と、利用者にとっては雇用の場を創出することができる。
この日は、町上雷のやまみファーム(宮下進也代表)の農業ハウスで、あすなろ福祉会の障害者授産施設「知内FDセンター」(町湯ノ里)の男性利用者6人が育ちすぎたニラを廃棄しハウスをきれいにする「掃除刈り」を行った。関係者からは、作業の様子みて、事業化の可能性に期待する声があがった。
宮下代表(46)は「慢性的な人手不足に加え、コロナ禍で外国人労働者も来ない状況が続き、安定した労働力となれば」と期待を寄せる。
同協議会では、今後同様の試験事業を年内に複数回行い、生産者との調整や事業を検証、評価し、事業内容を精査したうえ、次年度以降の事業化を目指す。