カトリック湯川教会(函館市駒場町)を拠点に、函館市内・近郊の高校生や大学生が外国人技能実習生とともに活動する函館青年交流会は、新型コロナウイルスの影響で困窮する実習生への食糧支援を毎月実施している。収入減による実習生の生活状況も厳しさを増す中、継続的な支援のため、寄付金や食糧提供の協力を呼び掛けている。
同教会では以前からミサなどの行事に市内・近郊で働くベトナム人実習生が多く参加し、函館ラ・サール中学高校や道教育大函館校などの学生と交流する活動も実施。昨年6月からはコロナ禍の影響で収入が減少した実習生の支援を目的に、マスク販売の益金や集めた寄付金を資金に食糧をそろえ、月に1回、実習生に配布を続けている。
8月28日には実習生らが、購入した米や即席めん、フードバンク道南協議会などから提供を受けたイカめし、スポーツドリンクといった食糧を袋詰めし、配布する43人分を準備。本道への緊急事態宣言を受けて、同教会での行事は一時中止となり、実習生が集まることができないため、同29日に各実習生のもとに食糧を届けた。
ベトナム人実習生のグエン・ティ・ガットさん(26)、グエン・ティ・チュン・アインさん(25)は「昨年から給料が減り、親への仕送りもあるので、生活は大変。食糧支援はとてもうれしく、本当に感謝している」と話す。
実習生自ら取りまとめている食糧支援の希望者はコロナ禍の長期化で増加。今回は一人1000円分を配布したが、希望者全員分では約4万円となった。同月末時点で寄付金の残高は約16万円となり、支援の継続には資金不足が課題だ。
交流会責任者のラ・サール高、韓徳教諭(45)は「これまで寄付は東京や九州など全国各地からいただいた。函館には家族のように助けてくれる人たちがいる、来て良かったと実習生に思ってもらえるよう今後も続けていきたい。みんなが大変な時だが、現状を知り、ぜひ協力を」と呼び掛ける。
寄付、食糧提供の問い合わせは函館ラ・サール学園・韓教諭(0138・52・0365)へ。(飯尾遼太)