道は、今月23~25日に札幌市内で日本酒の味や風味を競う「北海道の酒アワード2021」を初めて開く。箱館醸蔵(七飯町)の郷宝「特別純米酒 彗星(すいせい)」を含む、道産米で醸造した市販酒18種類(道内14、道外4の酒蔵)がエントリー。一般消費者の視点から最もおいしい道産日本酒を決める。
道主催の日本酒コンクールは初めてで、道酒造組合、ホクレンが協賛する。道南では箱館醸蔵のほか、函館市亀尾地区で酒蔵を新設中の新会社「函館五稜乃蔵」があり、コンテストを通じ日本酒ファンの裾野拡大に期待が集まる。
道によると、審査員は一般消費者540人と、道日本酒懇談会のメンバーやスーパーのバイヤーら関係者60人の計600人。一般消費者の審査は完全予約制で1日6回(1回30人、45分間)とし、着席、間隔を十分に確保し、黙飲で実施する。審査日程は午前10時半~同11時15分、正午~午後0時45分、同1時半~同2時15分、同3時~同3時45分、同4時半~同5時15分。場所は「Hokkido×Station01」。
賞はグランプリのほか、一般消費者の「呑兵衛部門」1~3位、「初心者部門」1~3位、専門家部門、審査委員長賞の合計9つを決める。グランプリのみ重複しない。審査結果は今月30日に札幌ビューホテル大通公園で開催する表彰式で発表する。
道南から唯一出品する箱館醸蔵は今年2月中旬に酒造りを始め、5月下旬に一般販売が始まった。特別純米酒の彗星は、七飯で契約栽培した酒造好適米「彗星」を使い、精米歩合55%、アルコール度数16%で、後口はすっとキレがよく爽やかな味が特徴。地元住民はもちろん、観光客にも人気がある。
このほか、上川大雪酒造碧雲蔵の「十勝 本醸造」や、金滴酒造の「特別純米酒 新十津川」など道内でよく飲まれている酒がそろう。
道は二次元コードを読み取ると、道産日本酒が当たるアンケートを6日まで行っている。道農産振興課は「新型コロナウイルスの感染拡大で出荷量が落ち込んでいる日本酒の需要を喚起するとともに、道内の消費は府県産に負けている側面があるので、道産日本酒の販売拡大につなげていきたい」と意気込んでいる。(山崎大和)