【北斗】JA新はこだて(本店・北斗市、横道重人組合長)は13日、北海道新幹線を使ったトウモロコシの首都圏への本格輸送に乗り出した。道南の朝どれコーンがその日の昼には店頭に並ぶ試みで、15日まで各日300本を販売する。JAによると、新幹線を利用した野菜の道外輸送は道内JAで初めて。
JAはもぎたてのおいしさをいち早く消費者に届けようと、昨年秋に道新幹線を生かしたトウモロコシの輸送の検討を開始。JRをはじめ、種子を供給するトキタ種苗(本社・さいたま市)と準備を整え、実現にこぎ着けた。
7月22日には、テスト輸送を行い150本が大丸東京店の店頭に並び、3時間ほどで完売し好評だった。商品名は「朝採りH5系はやぶさコーン」と名付けた。
今回は1日の輸送・販売量を300本に増やし、大丸東京店とそごう大宮店(同市)で販売。大丸東京店は野菜売り場、そごう大宮店は特設売り場を設け、首都圏の消費者にアピールした。
森町の農家1戸が良食味で人気の「ミルキースイーツ」を午前3時に収穫、選果し、同6時前にJR新函館北斗駅に搬入。トウモロコシは板状保冷剤を四方に詰めた専用バッグ「あいのりBOX」6個(1個50本入り)に入れ、10度以下で保存。車内販売用ワゴンのスペースを有効活用する形で「はやぶさ10号」の車両に収容。同6時39分に新函館北斗駅を出発し、同11時4分に東京駅に着いた。
JA農産園芸課の田代岳雄課長は「トウモロコシの糖度は収穫後、時間と共に落ちていくので、新鮮なうちに届けられるメリットが大きい。要望があれば、新幹線輸送を他の野菜に広げることも検討したい」と話している。(山崎大和)