豊かな自然に抱かれ眠っていた
旧石器時代の道具の数々
「ピリカ旧石器文化館」は「国指定史跡ピリカ遺跡」に隣接し、遺跡のガイダンス施設として2003年、オープンした。氷河期に生きた旧石器時代の人々の暮らしぶりについて、縄文時代との比較年表や大陸との関係、当時の遺跡を俯瞰する大きな復元イラストなどで分かりやすく解説。さまざまな石器も展示され、国指定重要文化財163点は全て実物を揃えている。
今から約2万年前から1万5千年前頃の旧石器時代に属する「ピリカ遺跡」は、後志利別川上流域に位置する。1978年、美利河ダム建設工事に伴う築堤用の土砂採取のため、付近の丘陵地で行われた土質調査の際に発見された。1983年から84年に行われた最初の発掘調査では約11万点もの大量の石器が出土。石でできた装身具など重要な発見もあり大きく注目され、工事計画は変更、遺跡は現状保存となった。その後、調査を重ねるたびに貴重な石器が発見され、また約20万㎡にも渡る広大な遺跡であることが判明、国内の旧石器文化研究の上でも標準的な位置づけを担っている。文化館から徒歩約1分の場所に建つ「石器製作跡」は、発掘現場の石器出土状況をそのまま展示するもので、旧石器時代の人々の息吹を感じられる貴重な施設として、広く関心を集めている。
(ハコラク 2021年7月号掲載)
ピリカ旧石器文化館
今金町美利河228‐1
☎0137‐83‐2477
9:30~16:30
休館日/月曜(祝日の場合は開館し、翌日休み)
祝日の翌日
※12月1日~翌年3月31日冬期休館
入館料/無料 P有り