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厳しい滑り出し 単価低下 コロナの影響色濃く スルメイカ初水揚げ

 今季の道南スルメイカ漁が始まり、2日早朝、函館漁港(入舟町)に初水揚げした。函館市水産物地方卸売市場でいけすイカ860キロ(昨年811キロ)の競りがあり、1キロ当たり1650~1600円(同2200~2000円)で取引され、新型コロナウイルスの影響が2年続けて色濃く出た。
 函館市漁協の函館小型いか釣漁業部会(外山智洋部会長)の15隻が1日に出漁し、青森県小泊沖で操業。多くの漁船は日付けが変わる前に、イカを積んで同漁港に帰港。2日午前5時すぎに船内のいけすからイカをタモ網ですくって出荷した。イカは勢い良く水を吐き出し、体を伸び縮みさせていた。
 若松淳一さん(63)は「そこそこ量はあるが、魚体が極端に小さい。40年近くイカ釣り漁業をしているが、一番小さい。飲食店やホテルの需要がないので、地元市民に食べてほしい」と話した。
 函館魚市場によると、胴長12~13センチ、重さは46~47グラムで小ぶり。いけすイカの初競り単価は、過去5年で最低の水準だった昨年の初競りよりも低下した。全体の水揚げ量は1・7トン(昨年1・4トン)。同社営業一部の平松伸孝執行役員部長(57)は「出荷がないのではと思っていたので、まずはひと安心。ただ、価格が取れるような施設が休業しており、ここら辺で落ち着いた」とし、今後も価格面は厳しいとの見通しを示した。
 イカは早速、初夏の味覚として函館市内のスーパーや鮮魚店の店頭に並んだ。はこだて自由市場内(新川町)のイカ専門店「富田鮮魚店」では、いけすイカを1キロ(20匹)2500円で販売。富田和子社長(72)は「小ぶりだが、今後に期待したい。外出自粛で一般のお客も来ないので大変」と話していた。
 函館では夏から秋にかけてイカ漁最盛期を迎えるが、近年は深刻な不漁が続く。漁期は来年1月末まで。(山崎大和)










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