函館市は、6月末までに65歳以上の高齢者に接種するワクチンが国から計7万人分供給される見通しを明らかにした。同月末までに医療従事者へ、8月中にも65歳以上の希望者全員への接種を終える予定だ。一方で、市内では60歳未満の若年層の感染が多く、重症化しやすい変異株によって医療への負荷も増えていることから、感染リスクを減らす行動の徹底を呼び掛ける。
17日に函館市役所で行われた定例記者会見で工藤寿樹市長が明かした。
今月1日から17日までの市内の感染者数の合計は66人。年代別の内訳は40代の15人が最多で、次いで50代が13人、30代の10人と続き、60歳未満の若年層で7割を占める。また、感染の要因は帰省など他地域との往来によるものが28人(42%)。感染経路不明者は14人でその家族9人にも感染し、経路不明由来は23人(35%)、飲食によるものは11人(17%)だった。
工藤市長は「50代までの感染者が全体の約4分の3を占めており、比較的若い世代の感染が広がっている」とした上で、「他地域に住む家族、友人の行き来や、札幌や東京などの地域に行った人による家族間に感染が拡大したケースが多い」と述べた。
今後の65歳以上のワクチン接種については、24日から市総合保健センター(五稜郭町23)と、旧五稜郭支援学校跡の五稜郭ワクチンセンター(同39)の2会場で新たに実施する集団接種で、計1400人分を受け付けると発表した。
また、今後の市へのワクチン供給量について、24日~6月6日までの間に2万3000人分、6月末までに4万7000人分の計7万人分の供給が国から受けられるとの見通しを示した。工藤市長は「これまでの分も含め、6月中には希望する高齢者のほぼ全員分が供給される予定」とした上で「医療従事者向けの接種が6月いっぱいまでに終わる見込み」とし、その後は個別接種も含めて高齢者への接種を加速させる考えを示した。(海老田暁)