看護師が行う特定行為
医療需要がピークを迎える2025年に向け、在宅医療などの推進を図っていくためには、個別に熟練した看護師のみでは足りず、医師または歯科医師の判断を待たずに、手順書により一定の診療補助を行う看護師を養成し、確保していく必要があります。このため、国はその行為を特定し、手順書によりそれを実施する場合の研修制度を2015年に創設。制度の内容を標準化することで、今後の在宅医療などを支えていく看護師を計画的に養成するのが目的です。特定行為は診療補助であり、看護師が行うのは、実践的な理解力、思考力、判断力、高度かつ専門的な知識と技能が特に必要とされる38行為です。
特定行為を実践するためには、特定行為研修を受ける必要があります。研修は大きく2つの科目で構成され、講義、演習または実習が行われ、全ての特定行為区分に共通する知識向上を図るための研修と、区分ごとに異なる技術向上を図るための研修となっています。
研修終了後に資格は取得出来ませんが、特定行為研修を修了した看護師には、指定研修機関から、特定行為研修修了証が交付されます。研修を受ける前の看護師は、患者の状態変化を医師にその都度報告し指示を仰いでいるのですが、特定行為研修を修了した看護師は、あらかじめ医師が作成した手順書を基に自分の判断で特定行為を行えるようになります。例えば、脱水症状の患者に対し輸液を実施するために、手順書で、身体所見および検査結果などが指示された病状の範囲にあることを確認し、輸液による補正を行うことが出来ます。また、救急領域では、人工呼吸器の設定変更を行うための手順書を基に、看護師の判断で設定変更が出来、人工呼吸器からの早期離脱につなげることが可能になります。このように、判断力が必要になる場面や急性期医療、在宅医療など任される機会が増え、より早く処置を行うことで患者の早期回復も期待出来ます。
(ハコラク 2021年5月号掲載)
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