出産を控える妊婦の通院を支援する函館タクシー(日ノ出町、岩塚晃一社長)のサービス「陣痛タクシー」の登録者が3300人を突破した。20、21の両日は同社で五稜郭病院の助産師を講師に招いた研修会を開き、さらなるサービス向上を図った。(飯尾遼太)
同サービスは2013年8月に開始。住所や連絡先、かかりつけの病院、出産予定日などを事前登録し、陣痛や破水の時に同社のタクシーを呼ぶと病院まで搬送。登録は無料で通常の運賃のみで乗車でき、昼夜を問わず、24時間対応する。
助産師を招いたドライバーへの研修会は新人への教育や知識の確認の機会として2年に1回程度実施し、今月20、21の両日は同社全ドライバー約150人が受講。21日は同病院の助産師、藍谷吏紗主任が講師を務め、「妊娠約40週ではお腹が大きくなり、足元が見えにくく、バランスを崩しやすい。初期でも体調不良へのケアが必要になる」とし、段階ごとの特徴を紹介。「お産が進むとパニックになる人も多い。優しい声掛けを意識し、親身になって接してほしい」と呼び掛けた。
サービスの登録者数は21日現在で3344人。函館は里帰り出産を望む人も多く、送迎者がいない場合、陣痛タクシーのニーズも高まる。同社では妊婦のほか、子どもの塾への送迎や介護タクシーの運行も進めており、岩塚社長は「陣痛タクシーも徐々に認知が進んできた。今後も生活支援サポートに力を入れていきたい」と話している。