JA函館市亀田女性部(山田美代子部長、部員64人)が製造した、干しイモの新商品「函館育ち。ほっ、とおいしいほしいも」が好調に売れている。函館、北斗両市内のコープさっぽろ9店舗で販売し「干し芋の概念が変わるおいしさ」と購入者から高い評価を受けている。サツマイモを干しイモに加工する作業は終了し、部員たちは確かな手ごたえを得ている。
女性部の新事業として試作を進め、今冬に商品が完成した。函館産サツマイモを使い、しっとりして甘みが強いのが特徴。イモの栽培から加工、製品化まで一貫して部員たちが手掛ける。
原料のサツマイモは部員4人が5品種(計20アール)を自ら育て、20年産は1・5トンを収穫。21年産からは仲間が1人増え5人になる。
商品は「シルクスイート」「鳴門金時」「紅はるか」それぞれ50グラム入り298円、100グラム入り450円、オレンジ色の「安納芋」、黄色の「シルクスイート」、紫色の「パープルスイートロード」の3色を組み合わせた50グラム入り350円、100グラム入り468円(いずれも税込み)の8種類がそろう。
コープさっぽろの「ご近所やさいコーナー」に3月10日から並び、初回出荷した90袋はほぼ完売。同17日に出荷した2回目90袋も好調な売れ行きだった。今後、函館の個人の直売所とも取引する考え。
10月に収穫したイモを自宅の簡易保管庫で3カ月熟成することで甘みを増す。収穫時に糖度18度だったのが、保存技術で25度まで上昇し、加工しても糖度は変わらない。JAの加工施設で洗浄、蒸し、皮むき、スライスの工程を経て食品乾燥機で一昼夜乾燥。乾燥機はJAの支援で昨年8月に導入した。茨城県の産地を視察し、地道に研究を重ねた。山田さん(61)は「パサつかず、逆にしっとりし過ぎないよう水分量の調整が難しかった」と話す。
山田さんは「無添加、無着色なので、子どもでも安心して食べられる。店頭に本州産干しイモしか置いていないのが当たり前だったが『地元でできるんだ』という新たな発見があったと思う。面積、収量を増やしお客の期待に応えたい。自然な味を多くの人に楽しんでほしい」とPRしている。
商品は4月いっぱい店頭で購入できる見込み。(山崎大和)