介護施設で働く看護師の役割
~介護する側、される側
家族や自分自身の将来のために~
「介護施設ってなに?」介護従事者でも詳しく説明できる人は多くないと思います。現在、健康なら「介護」をイメージすることは難しいでしょう。しかし、人間は歳を取り、必ずいつかは自分も介護を受ける身となります。
もし、自分だったら「どのような介護を受けたいだろうか?」と考え、入居者様が天寿を全うされるまで、“一生懸命生きるためのお手伝い”をするのが介護施設で働いている私達の仕事です。
介護の側面から見ると、介護職が中心となりチームケアが組まれますが、医師の常駐しない介護施設も多く、そのような施設では必要に応じた医療処置を行える看護師の存在はとても重要です。健康管理はもちろんの事、急変した際には、応急処置を含め、救急隊員や医師への引き継ぎの役割を担います。医療的な判断を任せられるケースも多く、その仕事には大きな責任を伴います。
入居者様が、その人らしく生活を送るためにはどうしたらいいのか。医療ケアや日常生活だけではなく、さりげない思いやりや気付きにより、満足できる生活を提供出来ているのか、喜びや安心感はあるのかなどが求められています。
システム化が進みAI機能や介護ロボットが当たり前のようになっていく世の中になっていきますが、人の手でなければ出来ない事、家族でなければ出来ない事があります。入居者様に関わる全ての人が協力し合って支えていくことが大切です。理想を理想で終わらせないためにも、多職種でさまざまな角度から考察し、それぞれの能力が有機的に発揮されることが求められます。
日頃から介護に触れることが出来れば、慌てることはないでしょうが、人はその環境に遭遇しないと興味を示さないものです。突如、身内で介護が必要となった時は不安になるでしょう。
どこの施設にも「相談窓口」を設置しております。相談を受けることも介護施設で働く私達の役割ですので、安心して訪ねてみて下さい。
(ハコラク 2021年4月号掲載)
特別養護老人ホーム おおぞら
函館市銅山町12
☎0138‐36‐1100
http://oozora-tokuyou.com/