【北斗】JR北海道は24日、佐川急便と共同で北海道新幹線を活用した貨客混載事業を始めた。新函館北斗駅で同日、出発式が開かれ、佐川急便の担当者が道内で集荷した荷物を新幹線に積み込んだ。国土交通省によると、新幹線を活用した貨客混載事業化は全国で初めて。
宅配までの時間短縮や冬季の安定輸送などを目的に、道新幹線の新函館北斗駅―新青森駅間で、平日1日あたり上り列車1本を利用。道南や道央で集荷し青森県域へ配達する荷物を専用ボックスに入れ、新函館北斗駅から新幹線で輸送。新青森駅で再びトラックに積み替える。函館から青森に荷物を送る際、従来のフェリー輸送と比べ半日の短縮につながる。
出発式では午後9時57分発新青森行き「はやて100号」の出発前に、事業開始を記念しテープカット。JR北の島田修社長は「開業5年に新幹線を使った新たな試みを始められることは、とても意義がある」と強調。佐川急便の本村正秀社長は「新幹線を活用することで、海上輸送では不可能だったスピードで荷物を運ぶことができる。期待に応え地域経済に貢献していきたい」と話していた。
JR北は今後、同東日本グループと連携し、道産の生鮮品などを東京駅へ輸送する事業も検討していくとしている。(野口賢清)