趣味が高じて専門店を立ち上げ
丁寧に築く一杯でくつろぎを届ける
「マルヲ珈琲」は、住宅地の一角にある隠れ家的コーヒー店。喫茶店が好きで、さまざまな店に足を運んできた尾越康宏店主は、自家焙煎コーヒーに興味を持つきっかけとなった函館市内の老舗喫茶店で焙煎方法を習い、豆を焼くたびにアドバイスをもらいながら30年来自宅でコーヒーを焙煎。趣味が高じて2019年に民家を改装し店をオープンさせた。
浅煎りから深煎りまで手掛ける尾越店主の相棒は、東京・かっぱ橋で手に入れた鉄製の手回し焙煎機。豆の爆ぜる音を聞き分け、数分、数秒という繊細さで焼き時間を調整。オリジナルブレンドのベースでもある深煎りぺルー産豆のストレートは、酸味を感じさせないキレのある苦味とクリアな味わいが際立つ。味を支えるのが生豆を選別する丁寧なハンドピック。「どんなに良い豆を仕入れても、輸送中にカビが生えたり、虫に食われたり、1粒、2粒は悪い豆が混ざる。うまく火が通らない原因にもなるのでかなり神経を使う」と休日に作業することもしばしば。専用の深煎りコーヒーを掛ける「アフォガード」や濃厚で爽やかな口当たりの「チーズケーキ」などのスイーツも用意し、「ゆっくりとくつろいで欲しい」という一心でコーヒーの味を築いている。
(ハコラク 2021年2月号掲載)
マルヲ珈琲
函館市吉川町2‐19
☎0138‐76‐4455
10:30~19:00
(18:30L.O)
火・水曜定休
禁煙 P有り